3. 男の勘

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「畳かぁ、いいね。俺の家、和室がないからなぁ。寝転びたくなるね」 喉が潤ってしばらくすると、正木はやっと落ち着きを取り戻し、改めて晴の新居について話す余裕ができた。 「なりますよね。実は私、引っ越しの日に正木さんから無事に引っ越しできたか?っていうメッセージが来た時も返信する時もずっとここで寝転んでたんです。ここに寝転んで縁側の外をぼんやり見るのが気持ちよくて」 晴は今は暗くて見えないが、外の庭の景色もなかなかのものだと話した。 暗くなった庭の方へ目をやる正木に晴は言った。 「庭は見えませんけど遠慮なく寝転んでください。一回寝転んだら身体が吸い付いたみたいに離れられなくなりますけど」 無邪気に笑う晴に対し、正木は少し神妙な顔を見せた。 「本当に離れなくなっても知らないよ?」 正木は晴がその意味を理解するより早く畳に寝転んだ。
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