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プロローグ
先程まで燦々と輝いていた太陽は、そろそろ役割を終えようとしていた。
空や山、湖をも茜色に染めて包み込み、美しい光景が目の前に広がる。
湖の向こうに沈む太陽が、湖面に光りの橋を架け、眩く輝く…。
彼女はそんな一日の中でも短い時間しか見られない光景が好きだった。
緩く波打つ金色の髪と、長いコートの裾が風を含んで踊る。
色を濃くした若草色の瞳を細め、その光景を目に焼き付ける。
…明日また、ここにくることが出来たなら、これは回収しなければならないな…
彼女の頬を夕陽と風が撫でていった…。
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