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ライフルのスコープにヤマガラがとまっていた。
私はじっと睨みつけ、今日の獲物に加えても良いのかと無言で訊いた。
間もなくその雀は飛び去ってゆき、私は目の前の獲物に再び狙いを定める。
……。
ハンターは、ライフルの銃身を熊である私が掴んで離さないから、もう終わりだと思っているようだ。
先の雀よりも哀れだ――身体をふるふると震わせて、彼はライフルにしがみついていた。
刹那彼から零れた涙は、ハンターの己が命があと一行も足らずして絶たれる――
― 一件落着 ―
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