第13話 ケンイチと温泉宿へ

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第13話 ケンイチと温泉宿へ

夫は仕事が益々忙しくなり、帰りも遅くなっている。 息子との濡れ場を夫に見られて、彼には嫉妬心もあるのだろうが、それ以降は疑っている素振りを見せない。 仕事仕事でそれどころでは無いというのもあるのだろう。 夫の仕事は時々出張も有るのだが、今度の出張は一週間に渡るものらしい。 「お前を信じているからな。 息子だけじゃ無く他の男にも気を付けろよ。」 やっぱり完全に信じてる訳じゃ無いよね。 実際、息子とは続いているしね。 夫も薄々は気付いているのだと思う。 『ダメだけど、他の男に妻が抱かれるよりは、息子のほうがマシ。』というのが夫の本音だと思う。 そんな時に、息子は商店街の福引きで温泉宿の宿泊券を当ててきた。 「そうなんだ……お父さんは出張かあ、残念。」 「悪いね、お父さんの事は良いから、二人で行って来なさい、日頃の慰労だ。 お父さんが連れて行ってあげたかったんだがな……。」 夫は、どんな気持ちで二人を送り出すんだろう? まさか『エッチは、そこそこにしとけよ。』かな? 少しは疑ってるんだろうけど。 次の日には私とケンイチは温泉宿に着いて、浴衣を着て散歩している。 「俺にとっては、義母さんが最初の女性だからね。」 そう言って息子は繋いだ手の指を絡ませてくる。
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