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第3話 夜中に私を呼ぶケンイチの声
「カスミさん……」
えっ? イヤだ、夫のいない夜に寝室の前で私の名前を呼ぶだなんて……
ここは寝たフリをしよう。
「寝ちゃった?………」
しばらくすると寝室から離れて行く気配を感じた。
こんな夜に急ぎの用事なんて有る訳無い……
私は寝てしまっていたのだ、仕方ないよね。
再び静寂を破った息子の声……!
「カスミさん……」
ドアノブを回す音がした。
《えっ!怖すぎるんですけど!》
カギを掛けていたので、ドアノブが完全に回る事は無かった。
「アレッ? カギ掛かってるじゃん……仕方ないか……」
もうホラーでしか無い状況。
私がその後も寝たフリを決め込んだ事は言うまでもない。
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