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「なんだ、来てたのか」
伊藤由真。彼女と出会ったのは2年前。ふっくらとした体型に、血色の良い桃色の肌。出会った瞬間に、この女だと直感した。
こいつを食べれば、10年は大丈夫だ。
俺は彼女に接近し、交際するまでに関係を深めた。彼女は渡していた合鍵で、俺の部屋にいたのだ。
「うん。今日は仕事が早く片付いたから」
彼女は俺と同じ会社で働く2つ下の後輩。部署が違うので、ほとんど会うことはない。
廊下ですれ違っても、会釈をする程度。俺たちは周りにバレないよう、気を遣いながら交際していた。
全ては彼女を喰らい、生命力を保持するため。ちょうどいい時に来てくれた。
堅苦しいスーツから部屋着に着替えながら、どこで彼女を仕留めるか、そればかりを考えていた。
「先にシャワー借りるね」
彼女はドア越しにそう言って、浴室へと入って行った。
うんときれいに洗うんだぞ。
俺は心の中でそう呟き、リビングへと向かった。
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