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うっかり眠ってしまった。リビングのソファーに座って、少し目を閉じただけなのに、いつの間にか眠っていたようだ。
やっぱり疲れてるな。人を喰ってないから。
俺は浴室から出て来た由真に起こされ、寝ぼけ眼で風呂へと向かった。
「夕飯、準備しておくから」
由真はそう言って、台所で準備を始めた。
健気なヤツだ。
今日、自分が喰われるというのに。
俺はシャワーを手早く浴びて、浴室を出た。眠気はすっきりと覚め、再び食欲が湧いた。
タオルで頭を拭きながらリビングに向かうと、普段よりも豪華な食事がテーブルに並べられていた。
「今日はえらく豪勢だな」
「やっぱり忘れてる」
忘れてる?何を?
いまいちピンとこない俺に、由真は言った。
「今日は、2人が付き合って1年の記念日でしょ」
1年?
そうか、あの日から今日で1年だったのか。
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