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テーブルにはデミグラスソースに浸ったハンバーグ、チーズが盛られたピザ、ポタージュスープ、そして鮮やかに彩られたサラダが並べられていた。
「ほとんど出来合いの物なんだけどね」
由真はそう言うと、俺にグラスを差し出した。俺がそれを受け取ると、冷蔵庫からシャンパンを持ってきた。
「1周年、おめでとう」
シャンパンを俺のグラスに注ぎ、慌てて由真のグラスに注ぎ返す。そして、2人でささやかに乾杯。空腹に程よいアルコールが染み渡る。
2人で食卓を囲み、今までのことやこれからのことを話した。俺はあまりしゃべらないが、由真は想像力が豊かなのだろう。いろいろな話をしてくれた。
1時間ほど食事を楽しみ、シャンパンも飲み干した。2人で後片付けをして、リビングに移動し、今度はワインで乾杯。
「今日は特別な日だから」
そう言って、彼女はワインに口をつけた。彼女がこれだけお酒を飲むのは珍しい。あまり強くないのに。
彼女につられるように、俺もワインを口にした。辛口の渋い赤ワインの心地よい香りが鼻を抜けていった。
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