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マリア
「そんなんだから、彼女が出来ないのよ」
「はァ」
関係ないような気がするが、なぜかボクが説教された。
「じゃァ今度の土曜ね」
「えッ、土曜か」
「なによ。まさか私とじゃァ不服だって言うのォ?」
「いやいや、光栄ですよ。マリアと横須賀でデートなんて」
「フフゥン、感謝しなさいよ」
「はァそうだね」ボクも困惑ぎみにうなずいた。
なんとなくデートの約束をした。
こんなことがクラスメイトの男子にバレたらパニックが起きたように大騒ぎだ。
しかしその後、家へ帰ると両親に怒られた。
勝手に横須賀へ移住して結婚するなど許さないと言うのだ。
「いやァ」ボクが言い出したことではない。
他人のせいにするワケではないが、マリアの発言だ。
ボクだけ責められても困惑してしまう。
「なにを考えてるの。マコト!」
母親もボクを睨んだ。
「はァ…」でもどうしてバレたのだろう。
「お前とマリアちゃんじゃァ、月とスッポンだろう」
父親も反対だ。
「ううゥン、そうかもしれないけど」
「当分、マリアちゃんと二人で会うのは禁止よ。わかった?」
母親が念をおした。
「はァ」一方的に怒られてばかりだ。
ボクとマリアでは釣り合いが取れないのは明白だ。
けれども、指をくわえてジッとしていても他のヤツに横取りされてしまう。
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