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マリア
ボクは苦笑いを浮かべ、彼女の方へ視線を向けた。
「フフゥン」彼女は楽しそうに微笑んで、ゆっくりとボクの隣りに腰掛けた。
「おいおい…」
わざとなのか、ボクの二の腕に彼女の肌が触れ合うくらい接近した。
甘いピーチのような匂いがボクの鼻孔をくすぐった。
ボクはドキッとして全身が戦慄いてきそうだ。
彼女の名前は八神マリア。
家が近所なので、昔から家族ぐるみの付き合いをしていた。
家にもよく泊まりに来ていた。
小さい時からケンカもしたが、兄妹のような関係だ。
ケンカと言っても一方的にボクが責められるだけだ。彼女には勉強もスポーツも叶わない。
なんだかんだ言って毎年、義理チョコをもらっていた。
もちろんお礼は倍返しだ。
栗毛色のショートだがツインテールがよく似合っていた。
そのうえ巨乳で、スタイルも抜群だ。
男子には人気の的だ。
スクール水着の彼女とこんなに接近している姿を見られれば、嫉妬されるに決まっている。
アイドルのように可愛らしいが幼馴染みのボクをシモベみたいに扱っていた。
ワガママだが、ボクはずっと彼女に片想いしていた。
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