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マコト
ボクの名前は宮田マコト。
マリアからは『マコ』と呼ばれていた。
彼女いない歴、生まれてからずっとだ。
唯一、幼馴染みのマリアだけが絡んできた。
「フフゥン」
いつものようにマリアは小悪魔みたいに笑みを浮かべていた。
こういう時は決まってボクの弁当を狙っているのだ。
「おいおい、また今日もボクの弁当を食べる気かァ?」
呆れた女子高生だ。
幼馴染みのボクの弁当を早弁させろと言うのだろう。
ここはボクたちが通っている横浜の高校だ。
ついさっき二時間目が終わって今は休み時間だ。見上げる空は清々しいくらい青く澄んでいた。
「だって成長期なんだから仕方がないじゃん。お腹が空いたんだよォ」
マリアは不満げに唇を尖らせた。
グイグイ身体をくっつけてきた。
「いやァ、成長期って確かにスッゲェ巨乳だけど、さァ!」
ボクは彼女の胸を見つめた。
明らかに巨乳だ。
「ああァ信じられない。セクハラよ。重大なセクハラ案件よ。訴えてあげましょうか?」
「はァゴメン。ジョークだよ。怒らないで!」
「巨乳ってジョークにならないわ。罰としてお弁当を出しなさい。今すぐ、私が食べてあげるから」
「えェッ、マジで?」
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