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お嫁さんに行ける?
食べてみたが唐揚げも母親直伝なので美味しい。
「フフゥン、どうかしら。味は?」
心配そうにマリアが訊いてきた。
「ああァ、スゴく美味しいよ」
ボクも笑顔でうなずいた。思った以上だ。
「フフゥン、これならすぐにでもお嫁さんに行けるかしら?」
イタズラッ子のように大きな目でボクを見つめた。
「えェッ、それは?」
ドキッとして思わず視線を逸らした。
「どうかしら。マコ?」
マリアは意味有りげな素振りで微笑んだ。
「そ、そうだねえェ。お嫁さんに行けると思うよ」
ボクも戸惑いながらうなずいた。
マリアなら男子からも人気があるので選り取り見取りだろう。
「じゃァお弁当を食べたらさっそく横須賀市へ行っちゃう?」
「はァマジでェ?」
「うん、私、介護福祉士になるから。そっちの勉強するために横須賀に行くんだ」
「ああァそうなの」
「ほらァ横須賀は空き家が多いんだって。良い物件があるかもよ」
「ううゥッ、マジで引っ越すつもりなのか?」
「ッたく、鈍感ねェ」
「えェ、ボクが」
「そうよ。そんなんだから彼女が出来ないのよ」
「はァ」
関係ないような気がするが、なぜかボクが説教された。
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