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日常6【side.エリック】――〝友人〟
栄養ドリンクで気合を入れつつ学校へ向かい、朝の職員室に入る。自分の席でビジネスバッグを下ろした直後、隣のデスクからタケルに声を掛けられた。奴の顔色は冴えない。
「エリック先生、仕事が終わってから少々お時間いただけませんか」
「どうした。顔だけじゃなく声にも元気がねーな」
「いえ、実はその……」
タケルは自分のデスクからメモ帳を取り、そこに文字を記して渡してきた。《ノアのことで相談が》とある。喧嘩でもしたのだろうか。
しかし昨夜も今朝も、ノアの様子に変化はなかった。あいつの場合、タケルと喧嘩になれば愚痴のひとつでもこぼしそうなものだが……。
どのみち無視するわけにはいかない。
「構わないぜ」と返した。
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