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【side.パスカル】――白
ゴミはゴミらしく生きる。
それが俺のモットーだ。
友達と呼べる人は一人もいない。
そりゃ、俺みたいな問題児と関わろうとする奇特な奴なんていないよね。
どうせ誰も俺のことなんか見ていない。
出来損ないのゴミ。
……いや。
ひとつだけ誰にも負けない特技がある。
〝作り笑顔〟――いつからか身に付いた癖でもある。
カタリナ高校に入学してすぐ、父親が警察のお偉いさんだという話が広まったようだ。分かりやすい問題児でいるにもかかわらず、俺は教師陣からほとんどスルーされていた。
笑っちゃうくらいの特別扱い。
俺の機嫌を損ねて「体罰」とか「いじめ」とか騒がれたら、自分の立場が危うい――皆そう思っているのだろう。
そんな〝ゴミ生徒〟が二年生になり、新たな担任教師と出会った。
その年、カタリナ高校に赴任してきたばかりのタケル先生。真面目で厳しい性格だという噂は小耳に挟んでいる。
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