日常7【side.エリック】――対照的な二組

6/25
前へ
/588ページ
次へ
「俺に言わせりゃ〝プライベートに仕事の事情を持ち込んでいる〟という意味で公私混同だと思うが」 「……確かに。アニキの言うとおりだ」 「『公私の区別を明確に』と言うなら公私共に徹底してナンボだし、『それはできない』と言うなら線引きをあやふやにされても文句言えないだろ。でなければ整合性が取れない。タケルは自分の信念にそぐわない要素だけ、都合よく排除しているということになるからな」  ……タケルが聞いたらまた「屁理屈だ」と言いそうな話だが。ノアの顔には笑みが戻り、瞳はキラキラと輝いていた。
/588ページ

最初のコメントを投稿しよう!

37人が本棚に入れています
本棚に追加