きっとこれは運命だから

　違う。あの日、私があのファミレスに連れて行かなくても。――二人はマクドナルドで再会したんだ。

　そうじゃなかったとしても。

　アパート近くのコンビニで再会したかも知れない。
　好きなアニメの映画を観に行って、再会したかも知れない。

　何かに導かれるように。

　その日、私は全力で自分を磨き上げていた。

　髪の毛はトリートメントとストレートアイロンでサラサラのツヤツヤだったし、動画で研究しまくって自分の顔と肌の色に合うメイクもした。服ももちろん可愛く、それでいて派手過ぎない大学生としてベストなものを選んだ。

　学籍番号順に席が決まる授業だったから、隣に岡野くんが座ることが確定していたから。

　いつも通り、穏やかな笑顔の岡野くんと適当な世間話を交わし、それとなく歩美について話題を振った。

「最近、歩美に親切にしてくれてるんだって？　ありがとうね」

　にっこりと笑って礼を言うと、岡野くんはふと照れたような顔になって、

「えっ、アユミンが何か話したの？　いや、別に大したことしたわけじゃないんだけど……」