きっとこれは運命だから

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 男子は170センチないと、みたいな論調があるけど、言いたい人たちは言えばいい。そういう人が多ければ多いほど、岡野くんの『競争率』は下がるんだから。 「岡野は飲み会行かないの? またバイトかぁ、偉いな。――岡田は? 参加する?」  同級生男子が180センチの高みから尋ねてきた。私は首を振り、 「今日はこのあと友達に会うから」  岡野くんが参加するなら、何が何でも私も参加したけど。毎週金曜日はバイトなのを知っている。 「岡岡コンビ、つれねぇなぁ」  同級生男子がからかうようにそう言って、私と岡野くんは目を合わせた。  岡岡コンビ。岡野くんとセットになったみたいで、内心私は『もっと呼んで!』と叫んでいた。 「マコト氏~! 久しぶり~!」  待ち合わせの駅の改札前で、懐かしい声が私を呼んだ。  その呼び方に、懐かしさと羞恥がごっちゃになって私は慌てて振り返った。  そこに立っていたのは、小学校のころ親友だった、中山(なかやま)歩美(あゆみ)だ。  彼女は中学に上がると同時に、父親の転勤で引っ越して行ってしまったが、SNSで細く長く繋がっていた。
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