きっとこれは運命だから

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 大学進学を機に東京に戻って来ていて、6年ぶりの再会となった。  目の前の彼女は、丸っこい、人の好さげな顔に小学校の面影がそのままだった。だけど、身長はいつの間にか私をとっくに追い越し、見上げないといけないくらいに伸びていた。 「歩美、元気だった? やっぱりすごいね、T大入ったなんて」  日本で知らない人はいない、トップの大学にストレートで合格した歩美は、威張るでもなく、謙遜するでもなく、昔と同じ笑顔で、 「あたし、勉強だけが取り柄だったからね~」  と言って笑った。  確かに歩美は運動は苦手だったし、お洒落にも興味がない子供だった。  だけど、誰に対しても公平で親切で、私は大好きな友達だった。  お洒落に興味がないのは今も続いているらしく、多分すっぴん、若干くたびれたトレーナーにどちらかといえば部屋着っぽいジーンズ、いくらでも歩けそうなスニーカーを履いている。  次は一緒に服を買ったりするのもいいなと思いながら、 「じゃ、行こうか。ファミレスでいい?」 「うん、いいよいいよ。向こう、ファミレスもあんまりないんだよ」 「えっほんとに? 全国にあるんじゃないんだ」 「そうなんだよ」
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