きっとこれは運命だから

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 白いワイシャツに蝶ネクタイをした岡野くんが、驚いた顔でこちらを見ている。  うわ、制服の蝶ネクタイ、カワイイ!  私が岡野くんに「えー!? 岡野くんのバイト先、ここだったっけ!? ぐうぜーん」と白々しく言おうとしたときだった。 「――アユミンだよね?」  目を見開いた岡野くんが、そう言った。  ……アユミン?  視線は私の頭の上を通り過ぎている。  私は瞬きして、歩美のほうへ向き直った。  歩美もぽかんとして岡野くんを見ていたが、やがて岡野くんを指さすと、 「え!? もしかしてマコッチ? ……えぇ、ほんとに!?」  と言って満面の笑顔になった。  ……どういうこと?  私が二人を交互に見ていると、歩美が面白そうに手を叩いた。 「中学のとき、塾一緒だったの! 岩手で!」 「岩手……えっ、そうなの!?」  そうか。歩美が引っ越して行ったのは岩手で……岡野くんも岩手から進学で上京してきたんだった。  岡野くんが小走りでテーブルにやってきて、まるで珍獣でも見つけたように頬を紅潮させて歩美を見下ろしている。
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