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放課後、演劇部の部活が始まり、私は想像もできなかったが、演劇部は体力づくりが重要だそうで、運動部顔負けのハイペースで校内をぐるぐると走る。一年生は各自、自分のペースでいいからと配慮はされているが、30分のランニングが終わった時点で、昨日の1年女子は三分の一くらいに減っていた。
その後、筋トレ……。普段、運動をしていないであろう私を含め、新入部員はこれで、壊滅的打撃を受けた。途中でトイレに行く子が増え始め、筋トレが終わるころには昨日、50名近くいた入部者が8人になっていた。
「大丈夫?」
「は、はひぃ」
すさまじい疲労感でめまいに襲われ壁に寄りかかっていると、誰かが私に声をかけてくれたので返事をした。
ってその声は? 目を開けると、すぐそばに宇良先輩が心配そうに立っていた。
近い近い近い!?
距離感がバグっているのか、はたまた令和という時代が生み出した光源氏なのか、とにかく近すぎて、悲鳴が出そうになる。
「その子、かなり無理してるから1年の子で誰か保健室に連れていってあげて」
今日知ったが、朝、宇良先輩に声をかけた3年、演劇部部長の宍戸先輩が1年に声をかけると、ふたり手を挙げ、肩を借りて保健室に連れて行ってもらった。
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