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(パンツくらい、穿いてほしい……)
これが現在の、現実問題としての、悩みの種だ。
仕方なく、千尋は居間の真ん中に、わざわざ目立つようにトランクスを置いた。
負けが決まっているギャンブルに賭けるような心地のまま、千尋はバスルームへ入った。
穿かないと言うのなら、自分が弦の姿の見えない場所へ行くしかない。
風呂から上がるころには穿いていてくれますように、と祈った。
これまでの経験からでは、勝率は二割程度なのだが。
でも、これくらい我慢なのかな、とも思う。
パンツは穿いてほしいところだが、大好きな弦と一緒に過ごせるのだ。
少々のことは我慢だ。
千尋は気を取り直して、バスルームから出た。
弦は、やはり全裸のままだった。
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