五月雨の午後

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「ねぇ、私とキスしたいって今思ったでしょ」 可愛い笑顔で突然言われて 思い切りコーヒーを吹きかけてやっとの思いでとどまる。 「……はぁ?」 間抜けな返事しかできずに、顔の熱が急上昇する。 「してもいいんだよ?キスも、それ以上も……」 だめだ、そんなに潤んだ上目遣いで迫られたら、断ることなんて出来ない。 彼女と色々したくて、頭の中で何度したのか分からない。 その度に純粋無垢な彼女を汚したと罪悪感と、高揚感。 相反する2つの気持ちにいつも落ち着かなくなる。 「いいの?それ以上って、意味分かっていってるの」 これは、もう、確認せずにはいられない。 大胆にも、カフェの本棚の死角に俺を連れて行き、背伸びを思い切りして頬にキスをしてくる彼女。 「うん、したいな」 そう言って笑ってくれる彼女。
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