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「ねぇ、起きて」
優しく体をゆすられるのを感じて、そっと目を開ける。
そこには優しく微笑む彼女がいて。
その笑顔を見るととても暖かくて幸せな気持ちになる。
「あれ、ここは」
呆れたようにため息をつかれて、ここは、いつものカフェだと教えてくれる。
暗くなる前に帰ろうと、起こしてくれたらしい。
「ごめん、何か夢みてたみたい」
そうか、そんな都合のいい事は起こらないよな、と笑えてきて。
会計を済ませて、小雨になった雨模様の中、2人で1つの傘にはいって、自然と腕を組んでくる。このまま帰したくないのにと澄ました顔を繕いながらそんな事を考え始める。
「ねぇ。大好き」
そう言って俺を見上げて笑う彼女は、本当に可愛いけれど、大切すぎて、本当の気持ちはまだ言えそうにない。
「俺も好きだよ」
だけど、いつかきっと。
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