五月雨の午後

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オレの彼女は、可愛いアマノジャク。 それはもう、お手本の様な傍若無人ぶり。 好きだよって言えば、無視されて 手を繋ごうとすると、距離をとられて 可愛いって褒めれば、やや睨まれるし。 本当に俺を好きなのか、素直に確かめてみればいいのに。 臆病者の俺は冬の冷たい雨が降る日に、別れようって言ってしまった。 きっと、嫌だって言ってくれる……ハズと思っていた。 表情も変えずに素直にうん、いいよって、それはもう呆気なく。 目の前でスマホの連絡先を消されるし。 ……俺の事、本当は嫌いだったのか? いやいや、でもデートの時に見せる可愛い笑顔とか、ツンでもどこか照れてるような表情とか 何より、夏の終わりにマジックアワー色の丘の上でしたあの…… 俺はまだこんなにも大好きなのに、完全にやってしまった。 もう、目も合わせられない。 俺はただの勘違い野郎だ。 しばらく落ち込んでいたら、友達に 「アホか」って一言と そんな卑怯な奴は振られて当然だって。 好きなら、絶対にその手を離すなって。 かなりイケメンなセリフを貰い、男にときめいたのは初めてだった。
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