楓 side

1/1
前へ
/143ページ
次へ

楓 side

悠の事が好きなのは嘘ではない。 今、別れる訳にはいかないから、 だから、情けないくらい必死に懇願した。 その理由は 我ながらクズだとは思うが―――… 大学で初めて見た時、悠のキレイな顔はかなり好みのタイプで、色気もあって、何故か目が離せなかった。 見惚れてはいたが、その時は恋愛的に好きになるとは思ってはいなかった。 悠は、色白で染み1つないキレイな肌、目元はキレイな二重で睫毛が長くて、サラサラな黒髪、少し前髪は長め。それが良く似合っていた。オレよりは低いが、身長はそれなりにあり、男のわりに華奢な身体付きだった。 悠の1番の友人になりたいと思い、積極的に話しかけたり、時間を合わせて2人で勉強したり、遊ぶようになり、念願叶って、悠とは1番の友人関係になっていった。 普段あまり表情を崩さない悠の笑った顔にドキっとさせられる事が多々あった。 悠は自覚していたのか分からないが、「氷の王子さま」と噂され女子に人気があったし、希に男からも視線を集めていた。 それを悠に気付かれないようオレは牽制していた。今思うとそれはただの嫉妬であり、独占欲だったのかもしれない。 人当たりもよく周りを気遣い、気配りができる事にも好感が持てた。 もっと悠の事を知りたいと思った。 悠の纏う空気のようなモノも 悠から香るの優しい匂いも 悠と一緒に居るのは、とても心地が良かった。 いつしか悠の事を好きになっていた。 大学卒業 間際 告白をした。 「ずっと好きだった…」 悠もオレの事を好きだったと告白を受け入れてくれて、オレたちは恋人関係になりオレは幸せだった。 悠と同棲できた事も嬉しかった。 意外と料理も上手で、家事全般率先してやってくれた。 それに甘えてしまったが……。 その後、 好きだから悠を抱き締め、 好きだからキスをした。 男同士でのその行為に、抵抗はなかった。 だから、その先の行為も抵抗なくできると思っていた――――…
/143ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1016人が本棚に入れています
本棚に追加