楓 side

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楓 side

オレは今まで女としかセックスをしたことがなく、男と付き合うのは悠が初めてだった。 男同士のセックスの動画も観てそれなりに知識は頭の中にあったが、悠とキス以上までは、中々進めなかった。 好きだからキス以上をシタい。 でも、オレの中で踏ん切りがつかなかった。今まで女なら直ぐだったのに…。 それだけ悠が大事なんだと自分に言い訳をした。 そして―――… オレはベッドの中で、サイドボードにある灯りで、いつものように本を読んでいた。 悠は風呂から上がり、寝室に来て顔を赤くしながら、悠は俺を誘った。 「―――今夜、楓とシタい…」 オレに顔を近付けながら、悠が絞り出すように、そう声をかけてキスをしてきた。 悠にそんな風に言われ、キスまでされたら悪い気はしない。 寧ろドキドキながら悠をベッドに優しく押し倒した。 「オレもシタい」 悠の唇を啄むように何度もキスをした。 軽く開いている歯の間を更にこじ開けるように、口内に舌を侵入させる。 ねっとりと口内を動くオレの舌に応えるように、悠も舌を絡めた。   「……ん、ふ、ぅ……」 舌が舌を絡め取る度に、悠の甘く漏れ出る吐息。 唇を離せば口元から糸を引く唾液。 悠を見る。 瞼を揺らし長い睫毛が濡れて、 唇が唾液で濡れ艶めき赤く色付いていた。 それだけでも唆られた。 貪るようにキスを繰り返しながら パジャマ代わりのTシャツを捲り上げて現れた白い肌、薄い腹に手を這わせる。 手の感触は吸い付くように、しっとりとしていて、今までの女よりも手触りが良かった。 いつもと違うのは、柔らかな胸ではなく、薄い胸には薄いピンクの乳首だけ。 乳首を指先で転がし、反対は唇で吸い付き、舌先でここも転がす。
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