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楓 side
(―――あっ…)
それを見た瞬間 オレのが萎えた。
間近で勃起したモノを見て、キレイな顔をしていても、悠はやはり男なんだという事実に戸惑いを隠せなかった。
オレは動揺した。
途中まではオレだって興奮して勃起していたんだ。
だけど男の勃起したペニスを見て興奮できなかった。
悠をそれ以上触れる事も躊躇した。
オレの動揺を感じていたのだろう。
悠はオレの萎えたペニスを見て今にも泣きそうな顔をしながら、戸惑いながらもゆっくりと腕を伸ばしオレに触れる。
さっきまで平気だった肌の触れ合いが、無意識に拒もうと身体が強張った。が、直ぐ悠を抱きしめた。
気持ちでは悠が好きだから触れたいし、セックスだってしたい。
だが、身体がそれを拒否した。
「ごめん。悠の事は大好きなんだ。だけど…「そう、わかった。僕を好きならそれでいいよ?無理しないで…」」
謝るしかできなかった。
ベッドの中でオレの顔を見ずにオレを抱きしめ返し、みなまで言わさず遮るように言葉を被せてきた。
オレの口から、無理だ。勃たない。そんな事聞きたくなかったのだろう。
「悠、ごめんな?顔を見せて。オレは本当に悠が好きなんだ。わかってくれる?」
オレはできる限り優しく声をかけ
オレの本気を伝えたかった。
悠はオレの胸元から顔を上げる。
キスをして、抱きしめて、感じる悠の温もり、悠の匂い、それだけで満足できる。
――――できていたんだ。
オレたちは愛し、愛されている。
セックスだけが全てではない。
気持ちが繋がっているのだからそれで十分だと。
だけど―――…
日増しに性欲が増していく。
発散させたいと…。
最初のうちは1人で風呂場やトイレでオナってた。
悠は口でしても良いと言ってくれたが、それをやんわりと断った。
オレが逆にそれを悠に出来るとは思えなかったからだ。
会社でも、飲み会に行っても女たちからの魅惑的な誘惑を断り続けた。
だが―――…
同棲して3ヶ月目くらいに溜まる性欲に我慢できず、オレは誘われるまま女を抱いた。
ホテル代を払ってるのだからオレの中では浮気ではなかった。
相手がプロかアマの違いだとさえ思っていた。
ただの性欲処理。
女の華奢な肩、柔らかな胸
女の身体に腰を振り、欲を吐き出す。
それがオレの中で当たり前になっていった―――――…。
いつからだろ?
悠の素肌に触れなくなったのは
いつからだろ?
悠とまともに向き合わなくなったのは
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