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僕は欲張りなのかもしれない。
1つまた1つと欲が出る。
最初は男女問わず人気者の楓の友人として、これからも側に居られたらそれだけでいい。綺麗事だが本当にそう思っていた。
願いが1つ叶うと、また1つ欲が出る。
今度は友人としてじゃなく、彼の特別な人になりたいと。
そう、恋人になりたいと―――。
その笑顔を僕だけに向けて欲しい
特別な感情を僕に向けて欲しい
楓に触れられたい
楓に触れたい
好きが溢れ出て大学卒業 間際、
不毛な恋に自分自身に蹴りをつける為に、玉砕覚悟で告白をした。
――ずっと好きだった…。
と言ってくれたのは彼の方だった。
そして、また1つ僕は欲張りになる。
楓に触れたい、触れられたいと。
――悠、好きだよ
――僕も好きだよ、楓
はじめてキスをした日
頭の中で、
いや、体全体で好きが溢れて
幸せでいっぱいだった あの頃。
好きだよ 楓。
それは今でも―――――…
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