楓 side

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楓 side

あれから2週間が過ぎた。 土曜の朝、急遽休日出勤になり、悠はオレに合わせて朝から朝食を作ってくれた。 せっかくの休日なのに申し訳ないと思いながら家を出て行く。 仕事がやっと一段落し、この日は直ぐに解散になった。 ロビーを歩いていると、胸ポケットに入れているスマホが鳴った。 スマホの通知を観ると、セフレの女からのメッセージだった。 『今日は私の誕生日なの、お祝いして?今からどう?』 中途半端な時間に仕事が終ったから仕方ない。 『おめでとう。じゃあ、プレゼント何がいい?自分で選ぶ?』 と返信したら、即返信が来た。 ショッピングセンターで待ち合わて、先にオレが着いて、暫くしてから彼女は来た。 今日は自分の誕生日だから、少し我が儘を言わせてと言われ、手を繋いで歩いて欲しいと赤い顔をして強請られた。 そんな事かと可愛く思い、手を差し伸べ、手を繋ぐ。 端から見たら仲の良いカップルに見えたのだろう。 チラチラと向けられる視線がうるさいが、悪い気はしなかった。 彼女に合わせてブラブラと店内を歩き、彼女は楽しそうに色々と見て、オレもそれなりに楽しめていた。 アクセサリーショップの入り口で、彼女はあれが見たいと指をさす。オレは頷いて中に入る。 スマホが鳴り、彼女にごめんと言って、少し離れてから、オレは胸ポケットからスマホを取り出す。 表示を見ると悠からだった。 休日出勤も普段と変わらず17時上がりだが、今日はたまたま早く上がれた。 だから、この時間は仕事中だ。 プライベートな電話は出ないように普段からしている。 だから電話に出ず、電源を切ってまたポケットにしまった。 この時またひとつ オレは間違いを犯した。 オレは彼女を優先した。 彼女の所に何事もなかったようにまた戻っていく。 悠が見ていたなんて知らなかった。 オレと彼女が寄り添い笑顔の写真が添付されていたのを見たのは、プレゼントを買って、食事をし、ショッピングセンターを出てから。 知らないうちに外は雪が積もっていた――――…
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