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この日を境に、僕の中で楓への想いは変わっていく―――…
楓を好きな事には変わりはない。
でも浮気をした楓を許せない。
矛盾ばかりのこの気持ち
だから、心が揺らいでしまう。
楓は僕を好きだと必死で言ってくれたけど。
楓は浮気をしないと誓ってくれたけど。
浮気をした者の常套句なんだろう?
そんなのいつまでもつの?
あの日から1度も僕と素肌で触れあっていないのに。
元々ノンケだし、性欲を吐き捨てるだけのセフレを今までいたのに、我慢なんて出来る筈ないだろう?
僕はずっと楓に抱かれたかった。
でも、楓は僕では勃起しない。
なら僕の体の疼きを誰が満たしてくれるの?
また1人で処理しないといけないの?
僕だって満たされない体の疼きを解消したい。
楓は僕を騙してた。
罪悪感はなかったから今までセフレとしてきたんだろう?
心では僕を好きだと言いながら、身体は女を求めて抱いていたんだろう?
心と身体は別なんだろう?
だったら僕だって――――…
ふと思い出した言葉。
――― 相殺(そうさい)
『差し引いて、互いに損得がないようにすること。帳消しにすること。また、長所・利点などが差し引かれてなくなること。』
今、僕がする行為は、まさしく
これだと苦笑いした――――…。
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