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あの日、彼女と別れたみたいだけど、この出会い系アプリに頼らなくてもキィさんなら向こうから寄って来そうなんだけどな…。 しかも、この出会い系アプリはゲイ専門のアプリだ。 キィさんはもしかして――― いや、聞くのは止めておこう。 どうせ一夜限りだと思うし。 「もしかして 想像と違ってた?」 キィさんは少し顔を傾けて、僕の顔を覗き込むように見つめてくる。その表情は少し寂しそうに見えた。 「いえ、想像以上の相手だったので、緊張してしまって…」 少し戸惑い気味に応えた。 「ユウくんは良くあのアプリを良く使うの?アプリ使わなくてもモテそうなのに」 「あ、同じ事 僕も考えてました。 キィさんモテそうなのにって」 「そう?ありがとう」 また優しく微笑んでくれた。 やっぱり聞いてみたい。 「あの…、この出会い系アプリってゲイ専門アプリですけど、キィさんは……」 「んー、どっちもだけど、どちらかというとこっちかなって思えてね。女性と付き合っていた時、淡白過ぎるのか勃たない時があってね。 だから、試しに登録してみたんだ。そんな相手はイヤかな?」 「イヤじゃないです。キィさんが…、僕で良いなら…」 テーブルに置いてた僕の左手に、キィさんは自分の手をスッと重ね、顔を近付け耳元で囁く。 「良かった。じゃあ行こうか?」 僕は頷き キィさんと共に席を立つ。
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