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VS勇者・2ラウンド⑤
毒をだしきる前に、俺の精液が尽きた。
そらそうだ。
日ごろから、勇者と格闘家に必ず一回以上、昇天させられるし、ほかにも女以外の野郎、人外の生き物に強制放出させられることが、少なくないし。
「はああん!」と少量の滴をちらすだけではダメ。
まともに射精しないと、律儀に勇者も射精しない。
毒のせいもあるのだろう。
呼吸困難になって、頭をふらつかせ、フェラするのもままらない。
ひどく疲弊をしながらも、これまで射精した分、体内の毒の量は減っているはず。
黒魔導師がはったりを噛ましたのかもしれないが、真偽をたしかめる暇がなくては「射精しきるのね!」の云う通りにするしか。
精液をすべて絞りだすには、あと一歩だと思うのだが・・・。
夜明けまで時間がない。
俺が射精する以外で、勇者から絞りだすてっとり早い方法は、もう一つしかない。
「こんにゃろうめえ!」と己に喝をいれて起きあがり、ついでに勇者の肩をつかんで、地面に仰向けに。
その腹に馬乗りになると、まだまだぎんぎんのそれを、尻の割れ目に挟んで、さすってから奥へと導きいれた。
ああ、本当に本当に本当に本当に、不快でないのが不愉快だ。
触手に舌に筆に、さんざん弄ばれたせいなのか。
ふだん疼いても、決して自分の指を入れなかったものを、ずっと掻きむしりたくて、もどかしかったような。
不本意も不本意なのに、念願のものを迎えいれたとばかり、満たされた感覚。
「いやいや、今はとにかく勇者だ」と気を取りなおし、尻から胸にかけて体をしならせる。
経験がないながらに、踊り子、最強の武器「催眠」の舞いを参考にして。
媚薬の効果と毒に蝕まれて「ぐう、ううう・・」と半白目の勇者は、感電したように身動きできず震えるばかり。
具合がいいのか、よくないのか、分かりにくかったが、すこしもせずに、俺の中に注ぎこんだ。
座薬もいれたことがない俺には未知の感覚過ぎる。
「うう、あ、う・・・」と眩暈を覚えつつ「よし、これならいける!」と手ごたえを覚え、硬度の変わらないそれから、さらに絞りとろうと、腰をゆさゆさぬちゃぬちゃ。
そのとき、ぐったりする勇者が「う、ぐ、、ぐああ・・・!」といきなり全身、痙攣。
揺れが伝わり、たまたま急所に擦れて「あ、やあん・・・!そこお・・・!」と脳天まで快感の痺れに貫かれた。
精液が空というのに、一瞬、射精感が。
「つづけて擦られたら、やばそう」と急所をはずして、体を揺らそうとしたら「ぐうああ!」と腰がつかまれ、股を裂くように肉棒が押しつけられて。
そのまま勢いづいて、急所狙いうちの荒々しい高速ピストン。
「ふあ、あ、ああん!ば、ば、ばかあ、やん、や、やめ・・・は、はあ、あん、あ、あ、んああ!」
半白目で意識が朦朧としているだろうに、ずんずんと下から刺して、急所をごりごり。
突かれるたび、射精しているような感覚。
その射精感が積みかさなっていき、さらなる高みに至りそう。
ただでさえ、後ろの口が開発されて、困っているのだ。
これ以上、身の内をひっかきまわされ、暴かれてたまるか。
快感に眩みながらも、奥歯を噛みしめ、急所からずらそうと、尻を揺らめかす。
が、気づかれたのか。
「がう、ああ!」と起きあがった勇者が、挿入したまま、俺を地面に押し倒した。
膝の裏をつかんで、御開帳し「ま、ああ、だめえ・・・!」との訴えを聞いてくれずに、一旦、腰を引いて、勢いよく奥にずどん!
さっきより深く、のめりこんで、さらに奥をえぐるように、ひたすら肉棒でぐりぐり、ぐちゃぐちゃ。
「や、や、やあ、あ、ああ、やらあ!も、や、へ、ん、へんなっちゃ、あ、はあ、はあん、あん、ひゃああん!」
射精をしないで、膨れに膨れあがった快感が弾けた。
男でも、女のようにイけるとは聞いたことがあるが、もちろん初めて。
前世はセックスが趣味だったものを、甘露が体に染みむような、これほどの極上の官能を味わったことはない。
余韻まみれで恍惚としているところ、このまま畳みかけられたら、俺どうなっちゃうの?
震えあがるも、中が収縮したことで「ぐう、ああああ!」と勇者は今日一といっていい大量噴出。
念願の「あと一歩」に至ったらしく、強ばりっぱなしだった肉棒が、しおしおと。
引きぬくと、弱弱しく浅く息をして、俺に倒れかかってきた。
触れる肌には、ほっとする温もりがあり、顔を覗けば、引きつりや強ばりが消えて、血色もいい。
息づかいも、赤ん坊の寝息のように安らかなものになって。
遠くに放られたテントを取りにいく力はなく。
俺の体に乗っかる勇者ごと、毛布をかけて、眠りについた。
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