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「…何それ?」
「のりこさんは子供っぽくて純粋なところがあって、物事をすぐ現実的に考えるくせに、気づくと割と相手に流されてしまう。まあ、そんなありのままののりこさんが俺は好きですよ。あっ、これは前世の記憶は関係なく、素直に俺の気持ちです」
あきらくんが一切恥ずかしがらずにそんな台詞を吐いた。
…相手に流されてしまうって何よ?
でも、否定はできない…
「何よそれ…」
聞いていた私が凄く照れてしまう。
でも、悪くない…というか嬉しい気持ちが込み上げてくる。
「あと、上手く言えませんけど、俺はのりこさんの味方ですよ。のりこさんが不倫していたからと世間から冷たい評価を受けたとしても、俺はのりこさんの味方をします」
あきらくんの言葉にそう言えば足立くんも同じことを言ってくれていたことを思い出す。
「…ありがと」
思わず笑みが溢れる。
「もしかして、もっと早くにその話を俺にしておけば良かったとか思ってました?」
あきらくんの質問に思わずドキッとする。
実際、駅から帰ってくる時にそう思ってたからだ。
私の反応を見て、あきらくんが目を細めた。
「…やっぱり図星ですか。残念ながら、そんな話をされていても俺はのりこさんを軽蔑したりはしませんでしたよ」
あきらくんが自信たっぷりに言った。
「…本当に?出会って間もない頃だったら、そんなことはなかったかもよ?」
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