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「やったことはないですが、ルールは知っています」
その返答に思わず笑みを浮かべた。
オセロなら割と自信がある。
前回はトランプで大敗したけれど、どうやら今回は私に分があるようだ。
早速、あきらくんが買ってきてくれたオセロを二人で開けて、最初は分かれていたオセロのコマの白黒をくっつける。
そして、箱の裏面に書いてあるルールを二人で再確認した。
その時、オセロってこんなルールだっけ?という違和感を覚える。
昔、よくやったという自信がすでに薄れていた。
「じゃあ、のりこさんが黒でいいですよ」
あきらくんが先攻を私に譲ってくれる。
「なら、お言葉に甘えて」
と黒のコマを盤上に置いて、白を黒に変えた。
そして、あきらくんが白を置いて盤上の黒を白に変える。
そのやり取りが5回続いた時、盤上は割と黒で染まっていた。
序盤は私が圧倒的にリードしている。
「悪いけど手加減なしに勝たせてもらうからね?」
調子に乗った私は早くも勝利宣言をした。
が、その数分後、盤上は白ばかりになっていたのだ。
「…パス」
黒の置くところが無くなった私は悔しげにそう呟く。
すると、あきらくんが残り少ない私の黒を白に変えてしまう。
誰がどう見てもあきらくんの圧勝だった。
「…負けました」
そう言って、テーブルの上に項垂れた。
…あれ?
あんなに優勢だったのに、何で後半あんなにボコボコにやられたの?
「どうします?もう一回しますか?」
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