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あきらくんの余裕の笑みに悔しさが込み上げる。
「…そんな笑みを浮かべていられるのも今のうちよ?」
とあきらくんを睨んだ。
が、2回3回目も圧倒的に負けてしまう。
「…なるほどね。最初の方にいくら優勢でも意味がなんだ。次こそは勝つ」
3回負けてようやくオセロの本質を理解した私は4回目にしてようやくいい勝負を繰り広げた。
今まではすぐに打っていたあきらくんが、長考するようになったのだ。
私もかなり考えて打つようになった。
けれど、最終局面でややあきらくんが優勢である。
「…まだ、勝負は分からないわよ?」
とニヤリと笑みを浮かべて、勢いよく盤上に黒のコマを置いた。
すると、あきらくんが目を丸くする。
どうやら、打たれたくないところだったようだ。
あきらくんの表情に価値を確信した。
「いいんですかそこで?じゃあ、遠慮なく」
とあきらくんが言って、白を置いた。
「あっ!?」
あきらくんが白を置いたところは私の黒を大量に白へと変えてしまう場所だ。
自分の後に相手が打つところを考えてなかった…
せっかくまだチャンスがあったのに、もう無理である。
「…負けました」
と悔しげに敗北宣言をした。
「接戦でしたね?のりこさんがあそこに置かなければ、俺の負けでした」
「それは言わないで…ああ、私の馬鹿…」
と頭を抱える。
「いい勝負でしたよ。楽しいですねオセロ」
とあきらくんが嬉しそうに言った。
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