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そして、黙って睨み合う。
すると、笑いが込み上げて堪らず吹き出した。
あきらくんもほぼ同じタイミングで笑い出す。
「ほんと、あきらくんって見た目の印象と違って頑固よね?普段、素直な分なんかズルい」
「いや、のりこさんもかなり頑固ですよ?」
笑い合いながら、互いに相手を頑固だと主張する。
「分かった。オセロの代金は諦める」
と私が折れた。
あきらくんも男だ。
きっとプライドがあるのだろう。
言い争いが終わると、すぐにあきらくんは帰り支度をして、玄関へと向かった。
私はいつものように見送る。
「お邪魔しました。今日も楽しかったです」
玄関であきらくんが相変わらずのスマイルで感想を言った。
「私も楽しかった。いつも晩御飯ありがとね。ていうか、今日はなんかごめんね?急に泣き出してビックリしたでしょ?」
私が質問するとあきらくんが苦笑いを浮かべた。
「はい、少し驚きました。でも、のりこさんが悩みを俺に打ち明けてくれて、嬉しかったです」
「…まあ、本来なら逆なんだけどな。我ながら恥ずかしい」
と顔をガクッと下げる。
「そんなことないですよ。年齢なんて関係なく人それぞれ悩みがあるもんですから」
「…あらま、相変わらず随分と大人の発言ね?」
冗談っぽく皮肉を言った。
「生意気ですか?」
あきらくんが薄っらと笑みを浮かべた。
「うん、生意気。でも、今はあきらくんらしいと頷ける」
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