20人が本棚に入れています
本棚に追加
結果は一勝三敗。
でも、最後に一勝した。
私はまるで子供のように喜んだ。
あきらくんは少し悔しそうな表情を浮かべたが、すぐに喜ぶ私を見てなんだか嬉しそうにしていた。
次の日の木曜日はあきらくんと会う約束はしていない。
私が最初に決めたルールに従っているからだ。
毎日は会わない…よくて二日おき。
て、自分で決めたのに帰宅して用意されていない晩御飯に少しがっかりする私がいた。
何故なら、あきらくんと約束している日の癖でコンビニに寄るのを忘れてしまったからだ。
「…仕方ない。たまには自炊するか」
と冷蔵庫に入っている材料を見て、この日は自炊した。
けれども、全く美味しくない。
そして、今日もあの夢を見ることはなかった。
◯
金曜日の朝は割と目覚めが良かった。
それはあの夢を見なかったからか、それとも別の理由かは自分でもよく分からない。
でも、ふと携帯電話を触ってしまったことで、その理由が判明する。
昨晩、自炊した味のよく分からない野菜炒めを食べながら、あきらくんと今日に会う約束をした。
そのメール内容を確認する。
「さて、今日は何を食べさせてくれるのかな?」
あきらくんのメールの文章を見ながら、そう独り言を言ってしまう。
この時の私は極めて上機嫌だった。
でも、出社して正午を過ぎた頃くらいに私のこの浮かれた気持ちが沈みきることになる。
最初のコメントを投稿しよう!