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あれ…?まだ、誰も来てない… 会議室の中に入りながら、首を傾げる。 午前中にたかしさん…青山部長から私と部長、安西課長を交えて今後の仕事で話があるから会議室をおさえておいてくれと言われていた。 でも、私は約束の時間になっても仕事が片付かず、少し遅れてしまったのだ。 だけど、青山部長も安西課長の姿もなかったから、思わずアレ?となった。 …今日って言ってたよね? 適当な席に座って、会議の入り口を見た。 すると、その扉が開く。 青山部長だ。 「すまない。少し遅くなってしまった」 青山部長が会議室に入ってきた途端、少しだけ視線を外す。 …出来れば先に安西課長が来て欲しかった。 安西課長は好きではないが、青山部長…たかしさんと二人きりになるよりはマシだ。 「…いえ、まだ安西課長がまだ来られていませんし大丈夫です」 やや俯きながら、そう答える。 「…安西課長なら来ないよ」 私の向かいの席に座ったたかしさんがサラリとそう言った。 「えっ…どういうことですか?来れなくなったということですか?」 嫌な予感がした。 「…いや、元から彼は呼んでいないんだ」 たかしさんの返答にやっぱりと心中で頷く。 「…仕事の話だと言いましたよね?もしかして嘘だったんですか?」 思わず苛立ちを言葉に込めて訊いた。 「…すまない。こうでもしないと、君と話が出来ないと思ってね」
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