エピソード1 さとう めい

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「そんな不安な表情しなくても大丈夫よめい。すぐ隣なんだし、ちょくちょく遊びに行くからね」 と大袈裟にともみが私を抱きしめる。 その後、それぞれの教室に入るため、私たちは別れた。 私は例の男子三人組が先に入っていた教室へと恐る恐る入っていく。 そして、自分の名前が書かれた机を探した。 机を見つけて座り、鞄を横に引っかける。 あとは担任の先生が来るまで待機だ。 あとから教室に入ってくる生徒の中には顔見知りも何人かいてホッとする。 でも、凄く仲の良い友達とは別れてしまった。 …今頃、2組では楽しく話してそうだな。 と羨むように2組があるであろう、正面の壁を見つめた。 例の三人組のイケメン男子たちは背の高い男子の机に固まって話をしている。 彼らの顔見知りらしい女子が何人か寄ってきて、楽しげにはしゃいでいる様子だ。 …どう見ても、彼らとは仲良くなる要素は薄そうだ。 まあ、それなりに話せる人もいるし、一年間はなんとかなりそうだと少し安堵した。 やがて、担任の先生がやってきて、先生に促されて生徒全員が廊下に出る。 そして、入学式が行われる体育館へと向かった。 体育館に入ると入学式という雰囲気が漂っていて、ほんの少し緊張する。 とはいえ、私が新入生代表の挨拶をする訳ではないので、緊張感する要素はない。
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