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確かこの人、サッカー部の人だよね。前に千紘が言ってた気がする。サッカーが上手くてイケメンの友達がいるって。日焼けしている肌に、くっきりとした顔立ち。すらりと高い身長。女子にモテそうだな。
そんなことを考えていると、彼が私の席の方へ歩いてくる。
「彩は帰らないの?」
名前を呼ばれ驚いた。私の名前知ってるんだ。しかもいきなり呼び捨てなんだ。
「うん」
私は頷く。
「テスト勉強は?」
気づいたら、彼は私の隣に座ったいた。
「赤点取らない程度にはしてるよ」
私が言うと、彼は笑った。
「俺も」
そこで会話が途切れ、静かな時間が流れる。そろそろ帰ろうかな。そう思った時、彼が口を開いた。
「その本、面白い?」
「うん。下は私が借りてるけど、上は図書室にあると思うよ」
私が言うと、彼はタイトルをメモし笑顔を見せた。
「ありがとう。借りてみる」
そんな感じで彼とは玄関で別れた。そして、とあることに気がつく。
「あ、名前聞き忘れた」
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