第2話 恋に落ちる

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「気になってたんだけど、その紙何?」 私が聞くと、彼はバツが悪そうに答える。 「メモ」 「メモ?」 聞き返すと、彼は恥ずかしそうに言った。 「俺小さい頃から読書あまりしなくて、感想とかメモしないと話せなくなると思ったから」 「いや真面目か」 彼の行動に、思わず突っ込んでしまう。 「ダサいな」 彼の顔が少し赤くなっている。 「でも嬉しいよ」 自分の好きな本を知ろうと努力してくれたことが嬉しかった。 「ありがとう」 私が言うと、彼は少し笑った。 「あのさ、もし良ければLIME交換しない?」 彼がスマホを取り出す。 「いいよ」 私もスマホを取り出し、画面を開いた。 交換した後、2人で玄関まで歩いた。 「じゃ、私家こっちだから」 私は彼と反対方向の道を指さす。 「ん、気をつけて」 彼に手を振り、背を向ける。 1人の帰り道、スマホのメッセージ通知がなって画面を開く。 「あ、進君っていうんだ」
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