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「気になってたんだけど、その紙何?」
私が聞くと、彼はバツが悪そうに答える。
「メモ」
「メモ?」
聞き返すと、彼は恥ずかしそうに言った。
「俺小さい頃から読書あまりしなくて、感想とかメモしないと話せなくなると思ったから」
「いや真面目か」
彼の行動に、思わず突っ込んでしまう。
「ダサいな」
彼の顔が少し赤くなっている。
「でも嬉しいよ」
自分の好きな本を知ろうと努力してくれたことが嬉しかった。
「ありがとう」
私が言うと、彼は少し笑った。
「あのさ、もし良ければLIME交換しない?」
彼がスマホを取り出す。
「いいよ」
私もスマホを取り出し、画面を開いた。
交換した後、2人で玄関まで歩いた。
「じゃ、私家こっちだから」
私は彼と反対方向の道を指さす。
「ん、気をつけて」
彼に手を振り、背を向ける。
1人の帰り道、スマホのメッセージ通知がなって画面を開く。
「あ、進君っていうんだ」
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