第2話 恋に落ちる

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進君とは、あれからよくLIMEでやり取りをするようになった。 『先生のカツラがずれていた』とか『小テストがだるい』とか内容はくだらないことばかりだったけど、メッセージをチェックすることが楽しみになっていた。 そんなやり取りが日課となった、高校1年生の冬。 テスト期間の放課後の教室。その日は、進君と一緒に本の感想を言い合っていた。ただ、少し進君の様子がいつもと違うように感じていた。 いつもより口数が少ないな。もしかして体調悪いのかな。そう思っていた時、進君から声をかけられる。 「彩、話があるんだけど」 「どうしたの?」 進君の真剣な表情に、思わず姿勢を直す。 「俺、彩のこと好きなんだ。付き合ってほしい」 時間が止まったように感じた。言葉と意味がなかなか合致しない。 「なんで?」 やっとの思いで私は口に出す。 「可愛いなって思った。隣で支えたいなって」 言葉の意味を理解した私は、深呼吸する。 「ごめん。友達でいよう」 これが、最初の告白だった。そしてこの前が、2度目の告白。 進君のことは嫌いじゃない。むしろ好きなくらいだ。だがこれは、友達としてではないのだろうか。 『明日の放課後、少し時間ほしい』 先程送られてきたばかりのメッセージを見て、私は進君のことを考えていた。
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