第3話 年下の友達

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大学3年生の春、手話サークルに新しいメンバーが入ってきた。サークルの人数は今25人いて、新入生が加わり30人となった。 そして今日の夜、居酒屋で歓迎会をすることになった。 黒いシャツに、パステルカラーのピンクのパンツを合わせる。派手にならない程度にメイクをして、ブラウンベージュに染めたばかりの髪を丁寧に巻いていく。肩まである重そうな髪がふわりと軽くなる。我ながら今日も可愛くできたと思った。 「ごめん、遅くなっちゃった」 今日の集合時間は18時。5分後に着いた私は、軽く頭を下げて中にな入る。 「隣、いいかな?」 「あ、はい。どうぞ」 声を掛けた相手は1年生だった。緊張しているのか、少し声が震えている。整った顔をしているのに全然自信がなさそうなところが、なんだか可愛いと思った。
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