第3話 年下の友達

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「それじゃ、行こうか」 私達はショッピングモールの中の映画館へ行き、恋愛映画を見た。人に好かれるため自分を嘘で塗り固めていた主人公が1人の女性と出会い、本当の自分をさらけ出す勇気を貰うという作品。 「面白かったね」 フードコートでたこ焼きを食べながら、私達は映画の感想を語り合っていた。 「うん。主人公が勇気を出して、本音で彼女にぶつかっていくところで泣きそうになった」 そう言う裕也さんの目は、少し赤くなっている。 裕也さんと一緒にいると落ち着く。お互いが無言の時間ですら居心地が良い。ずっと一緒にいたいと思う。 でもそんなことを願うには、今の私は汚れすぎている。
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