プロローグ

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時は西暦二千年。時代は令和となりにけり。 ところでご存知でしょうか。地元にある遺跡のことを。例えばそうですね、静岡県なんてどうでしょう。静岡県の西部、愛知寄りですね、磐田市には意外とあります。貝塚とか貝塚とか貝塚ですね。貝を食べた残りです。海も近いですから。 出身の東部小学校なんて古墳時代の野際遺跡の横に建ってます。上かもしれません。そこの地名は東貝塚です。 本当にたくさんあるんですよ。ありすぎて詳しく知らない。古墳時代なんて大昔でしょう。でもあるんですよ。 古墳時代の遺跡があるならそれ以降の遺跡もあります。ですが新しいものほど戦争の火に焼かれ朽ちていったでしょう。大昔のものほど残っているんですよ。だって、土の下ですから。 最近だと、2022年に不発弾の処理が磐田市小立野では行われました。発見は同年四月、撤去は六月です。これもまたある意味遺跡ですよね。ずっと埋まったままでした。それも気づかないまま、上で生活していたのです。 遺跡というものはすぐそこにあるんですよ。それこそ学校、公園、コンビニと同じかそれ以上に。 それは昔、誰かがそこに遺した跡なのです。ほら、よく知っている遺跡があるでしょう。 お墓ですよ。 紹介したいのは磐田市見付にある総合体育館の横。地元で有名なかぶとづか公園です。 ありますよ、そこにも。大きな古墳が。 静岡県磐田市のかぶとづか公園、カブト虫がそれはそれはたくさんいるカブト虫天国、ではありません。ここにあるのは二つの遺跡です。 カブト虫ももちろんいますが、名前の由来は頭に被る兜です。 公園内敷地、体育館横ですね、そこにはお山があります。 登ってください。 見つけてください、コンクリートの跡を。それは太平洋戦争中の対空陣地の跡です。この場所には陸軍の基地があったのです。 ミサイルが落ちていくのをそこから幾人もが見ていました。 爆撃機が頭上を飛んでいくのも見ました。 兵隊さんはおなかが空いて、この地でじゃがいもを育てていました。みんなみんな、おなかが空いていました。 ぼくは、それをすぐそこで見ていました。 お武者さんにも、兵隊さんにも言いました。 「ねえ、かくれんぼしよう」 ぼくはずっとここにいます。
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