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追記
きみがその場所を見つけた時、ぼくはよみがえります。
息を吹き返すことはありません。ただ、ぼくの時間が動き出す。そんな気がするんです。
まだ見つかってないものがこの地にはたくさんいます。ぼくをはじめとして、たくさんの遺跡がきみの足の下に眠っているのです。
かくれんぼをしよう。
きみが鬼だよ。
だから見つけてください。ぼくの見てきた歴史を。きみのうまれたこの町の歴史を。
流れた雨と血は土に染み込んで沈んでいきました。歴史も同じでしょう。
探してください。掘ってください。
それが正しいことかなんてぼくにはわからないよ。でもきみは知らずに生きて死んでいくの? ぼくたちは、見つけられずにいなくちゃいけないの?
かくれんぼだよ。きみは見つけてくれないの?
はじめから、なかったことにするの?
まだぼくはここにいるのに!
きみは知るべきだ。
知って欲しい。
お願い、ぼくを見つけて。
最後にヒントをあげる。
そこではね、セミは鳴かない。
だって、うるさくてぼくが起きちゃったら大変でしょ?
さあ、かくれんぼの時間だよ。
ぼくたちは、ずっとここに立っている。
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