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終焉
『あのビッチアナ、自殺しちゃったらしいね』
『アナと穴掛けてんの?』
『いやいや。寒いって、ソレ』
『死んだあともこうやって悪口言われてビミョー』
『いや。仕方ないっしょ。身から出た錆ってヤツ?』
『まあね。中学時代のイジメの話はドン引きレベルだし。相手は何もしてなかったらしいじゃん? 単なる逆恨みと嫉妬?』
『しかし十五年も前の事件で、よく写真あったな〜』
『親がフィルムを保管してたらしいよ。警察に突き出そうとしてたら、娘さんが先に亡くなっちゃったんだってさ』
『詳しいね。君はまさかの地元民?』
『そ。あの女はビッチで有名だったんだ。子供の頃からさ。あ、ヤバ。事実陳列罪になっちゃうw』
『ま、この世から悪がひとつ消えた。Mちゃんのご冥福をお祈りしましょ』
『だな。合掌』
『人人人』
『人』
『人。つーかビッチの冥福は?』
『いや。誰も祈ってないw』
『犯罪者の冥福なんか祈らんわ』
『それな』
────
暗闇の中、ブラウザの青白い光が、一人の男を照らす。
その面には恐ろしい程、表情がなかった。
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