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SNS
『マジ、糞ビッチで引きました〜』
『〇〇ソ砲食らっちゃったね〜』
『誰? この女? こんなアナウンサーいたんだ』
『東京〇〇テレビだよ。地方民おつ』
『都民だけど知りません〜。三流以下の芸能人。いや、芸能人なのか? コイツ』
『朝の顔が、複数人のパパ活とはきついッスわ』
『しかも学生時代のイジメ疑惑も。真っ黒くろすけ〜』
『朝からこの整形顔見ずに済んでる、地方民の俺は勝ち組』
『こんな女起用するとか、プロデューサーも枕営業にやられたんか? ていうかこんな女じゃ抜けねえわwww』
『胸も顔も造りもんだろ? 見るヤツが見りゃすぐ分かるんだよ、バーカ』
『〇〇マガの巻頭グラビア出てた時は、その号だけ買うのやめたわ。萎えまくりっす』
『私は女だけど、学生時代のイジメで人一人死なせてるとか、マジで引いたわ……』
『だよな? そっちのが闇深案件。ビッチなのはご勝手にどうぞ』
『可哀想。こんなアバズレ女のせいで死ぬことなかったのにね。Mさんも』
『世の中に不必要な人間程生き残るの、この世のバグだろ』
『ほんそれ』
『人死なせといて、何で今も生きてんのかね? お前よりもMさんが生きてりゃよかったのにって、周りの人皆が思ってるよw』
……何なのよ、一体。
昨日、掲示板やSNSに私の写真がばら撒かれたらしい。
ご丁寧に少し興奮気味の紗季が、わざわざ電話をしてきたのだ。
訴訟するなら、一緒に弁護士探してあげるとウキウキした声で言っていた。
こういう女を、フレネミーって言うんだろう。
ばら撒かれた内容は、西条さんや他の男とホテルに出入りするものや、カーセックスの写真。
目線付きの物も、そうでないものもある。
その上どこでどう撮ったのか、私が指示した、茉那への嫌がらせの証拠写真まであったのだ。
……十三年も前のものが、どうして今更バラ撒かれたの?
私に悪意のある人間の仕業には違いないけど、誰なのかが分からない。
不意に電話が鳴ったから慌てて出たら、会社からだった。
「もしもし……」
『もしもし。原田朱美さん。お電話で失礼ですが……』
電話の内容は予想通り、体調不良ということで、全ての番組を降板しろというものだった。
掲示板やSNSでの噂のせいですか? と聞いたら、そうではないと向こうは抗弁したけど、明らかに嘘だ。
……一体誰の仕業なの? ここまで恨まれる筋合いなんかない。
それに茉那のことを知ってるのは、ごく限られた地元の人間だけのはず。
……まさか。
私は震える手でスマホを手に取った。
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