第一章 マンションの管理人

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「ダンジョンと言うならドラゴンとかユニコーンとかエルフを想像するじゃないですか!」  実は友達に貸してもらったダンジョンものの漫画にハマっていた。 「ここにもいるわよ。龍でしょ、馬の首でしょ。それに、河童や管狐。西洋が宝箱ならこっちは化つづらで対抗よ!」 「別に対抗してるわけじゃ……」  一つ目小僧が苦笑いした。 「何よ、岸本ったら西洋贔屓でムカつくじゃない。日本固有の妖怪を誇りに思いなさいよ!」  興奮するカプリに白い耳とふさふさとした太い尻尾が生えた。カプリの正体は化猫だと確信を持つ。これはこれで可愛いーー。 「……馬の首って言いました?」 「オシラ様と呼ぶ地方もありますね」 「知らない、怖い」  馬の首がヒヒーンと飛び回っているところを想像して寒気がした。
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