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「だけど、温泉に入って治ったでしょ?」
「ああ、幸運だった。でも、いつでも入れるわけじゃないし、それに人間は年取るのが早いんだよ」
カプリは悔しそうに唇を噛んだ。
「そんなこと言われたら何も言えないじゃない」
「ごめんよ。でも、今直ぐに動けなくなるわけじゃないさ。そうなる前に後継者を育てておかなければならないって話だよ」
話がどんどん大きくなって、自分の手には負えない気がして来た。二人が人間がどうとか口にするのも怖い。
「あの、やっぱりちょっと」
「いやいや、こっちの話は終わったから。カプリ、案内を頼むよ」
手を合わせて頼む岩瀬にカプリはため息をついた。
「ついて来なさいよ」
カプリは無言で床下のハッチの下にするりと身体を滑り込ませた。
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